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私には天敵とも呼べる人がいる。
大っ嫌いな人が。
「沖田様~!」
「今日は私と一緒に買い物に行ってくれるんですよねー?」
「今日は駄目。また今度な」
にっこり笑顔を繕って女の子たちを惚れさせる。
新撰組の沖田総司だ。
私は兎に角、こいつが大っ嫌い!
女を誑かすなら他の店の前でやって欲しい。
なんで毎回、わざわざ私の店の前でやるかが分からない。
「やっほー、お菊ちゃん。また来ちゃった」
「どうぞ、そのままお帰りください、沖田様?」
私がこんなことを言ってもお構いなしに席に座る沖田。
「ねー、どうしてお菊ちゃんはそんなに冷たい訳?俺、寂しいなぁ……」
「貴方様には興味が毛ほどもございません。どうぞお帰りください」
「ほんっとお菊ちゃん、毒舌だよね。一応、お客様なんだけど?」
注文もしない客が何処にいる!
毎回毎回、私の店の前でやりやがって……
他の客が入ってこれないんだ!
邪魔でしかない。
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