第一章

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◇◇◇ 「総司またあの店行ってたの?」 「そうだよ。今度、平助も行く?」 「え、いいの!?」 「うん、いいよ。明日にでも行くか」 お菊ちゃんで遊ぶのは俺だけだけどね。 平助には他の女の子でもあげるよ。 小さいから女の子にはきっと可愛いとか言われるだろうし。 「沖田先生、時間です」 「あー、今行くわ」 巡察、面倒だな…… それも夜だから…… 俺は浅葱色の羽織に袖を通して屯所を出た。 「新撰組、沖田だな?」 「だったら?」 男は刀を抜いた。 こういう奴がいるから嫌なんだ。 それに、俺だと知っておきながら刀を抜く度胸だけは認めてやる。 「その命、貰い受ける!」 男は地面を蹴り、突っ込んできた。 「誰の命を貰い受けるって?」 俺は刀を抜き、男の懐に入り込んで躊躇うことなく斬り捨てた。
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