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「お菊ちゃーん！」
「あ、藤堂様！お久しぶりです」
平助がお菊ちゃんの名前を呼ぶといつも俺には向けない笑顔を見せる。
「俺もいるんだけど？」
「どうぞ、お帰り下さい」
一瞬にしてその笑顔は消え去り、真顔で言った。
そして、また藤堂に笑顔を向けて質問をした。
「藤堂様、何食べます？」
「みたらし団子がいい！」
「ではすぐにお持ちいたしますね。……沖田様は？」
何だかんだ言ってもちゃんとお客として扱ってくれるお菊ちゃんは優しいと思う。
「じゃあ、俺も同じもので」
お菊ちゃんは手際よくみたらし団子を作っていた。
「総司、お前何したの？」
「別に何もしてないけど」
「ならあんな風にはならないでしょ」
別に俺はお菊ちゃんのこと嫌いじゃないし。
お菊ちゃんが勝手に俺のことを敵視しているだけ。
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