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駅まで見送ってくれた人ごみの雑踏に紛れて、「じゃあ、また」と、灰人の声が聞こえた。改札を挟んで、驚いた未来は尋ねた。
「またって……また会ってくれるって事?」
「うん。でも、ボクが選ぶ店だと未來さんは呑み足りないかな?」
「べ、別にそんなことは……」
本当によく見ている男だ。隙が無い人間とはこのことだろう。財布をうっかり落とした時点でそうでもないかもしれない。よくわからない男というのが、この日の未来が持った印象だった
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