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すると、
「ハルさんにとっては?」
いきなり顔をあげて俺に聞いた。
え? 俺?
「ハルさんって、とってもモテますよね。職場でも他でも」
そうでもないよ。モテるというなら俺じゃなく夏樹だから。
「私不安なんです。ハルさんが誰かに取られちゃうんじゃないかって」
……へ?
「……へ?」
あ、間抜けな声が出た。
「ハルさん」
鈴音がグイッと迫ってくる。
俺は思わず、ズルッと腰をひいた。
「ハルさん」
「うわっ、はい!」
ベッドから尻が落ちそうになって、慌てて態勢を立て直す。
「私のこと本当に好きですか?」
いきなりの急展開に、俺は慌てて頭をぶんぶんと縦に揺さぶる。
鈴音への気持ちは本当だけど、急にこんな風に言ってこられると照れるんだ。
でも鈴音は、
「だったら、なんで何もシてくれないんですか!」
って、ええーっ!
俺は冷や汗がダラダラ出てきた。
いや、だって、ほら……。
鈴音って、こんなぶっ飛び核弾頭だったか?
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