雨が降りやんでも~夏夜のおとぎ話~

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あたしはキラ。 ずっと腕を捜している。 腕以外のことは何も憶えていない。 憶えているのは潰されそうなくらいに抱いてくれた腕。 あたしはその腕を“ママ”と名づけた。 どうしてママを捜しているのか。 その自分の気持ちの意味さえわからない。 もう老いたあたしはママを恋しがる年でもないのに。
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