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紘斗はときどきメスを連れてくる。
同じメスじゃない。
というより、紘斗は同じメスを二度と連れてきたことはない。
それなのに、どれも鼻をつく。
あたしは近づけない。
部屋の隅っこでじっと紘斗とメスを追っている。
紘斗はそうしているあたしを見返すけれど、絶対にあたしを呼ばない。
あたしの視線のせいなのか、紘斗は長居させることもなくメスを連れだす。
ほとんどのメスはあたしを無視する。
もしくはあまりにも隅っこに置物のごとく座っているせいで、気づかないのかもしれない。
だってメスはそれどころじゃなく、盛りのついた“なんとか”みたいに紘斗を追ってる。
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