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紘斗と出会ったのがいつだったのか。
やっぱりあたしの脳みそは役に立たない。
いまは箱のなかに住んでいるけれど、ちょっと昔はもっとやわらかい香りのなかにいた。
家の屋根裏でチュウチュウ――紘斗のとは違う種類のチュウと鳴く、すばしっこい丸々としたのを追いかけたり捕まえたり。
毛のない尻尾がやたらと長くて、一度だけ踏んづけたことがあるけれど気持ち悪かった。
それ以来、捕まえるのはやめて脅すだけにした。
だって紘斗のじぃちゃんとばぁちゃんがせっかく作ったごはんの“もと”を食べ荒らしてしまうから。
外に出て気まぐれに散歩しながら、緑と風のなかで眠ったり、時間の流れが穏やかだった。
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