真夜中の迷子

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「もう、本当訳わかんないよね!今日も朝から勝手に怒って気分悪ーい!」 表参道のお洒落なカフェで中学生の頃からの友人、望(のぞみ)と雑談をしていた 「しかも、昨日もblackと対バンするからってライブ誘ってもらったからちょっとblackについて話したら黙るしさー、」 「あー、blackってあの女たらしの佐川の居るバンドかー…え、それって明らかに彼はあんたの事好きじゃーん。」 と、望はなんだか楽しそうにジュースをかき混ぜながら言ってきた 「好きだったらもっと相手の気持ちとか考えるでしょう?」 「まー、確かにね。てか、彼とは何で付き合ってないの?」 「何でって…付き合ってないよ…。」 「なんでー?」 「え、いやー、あくまで1人のファンだし。」 なんて言って少し自分の気持ちを誤魔化した きっと、この恋が叶わないから認めるのが怖かったんだと思う 「それは関係無いと思うよ。」 ドキリとする程真っ直ぐな声で言ってきた。 望の大きな瞳が恐くなった 「ファンだから何?アーティストだから何?理沙は彼の事どう思ってるの?」 「………好きです……。」 「じゃあ、頑張りなよ言い訳なんてしてないで。きっと彼は理沙を傷付けたくて言ったんじゃないよ。好きだから気になるんだよ。」 「……………。」 「ちゃんと話さず家を出て来ちゃったんでしょ?」 「うん…………。」 「だから喧嘩じゃないけど何か気まずいだろうから帰ったら連絡するか彼の家に遊びに行ってあげなよ。」
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