真夜中の迷子

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「ねぇ、」 そう声掛けられたのは大分慣れた秋勝の布団の中に入った時だった。 「今週の金曜日の夜。ちゃんと空けてあるよね?」 今週の金曜日……あ!blackと対バンの日だ 「もちろん!」 「絶対…絶対良いライブにするから絶対来てね。」 そう言い残すように言って私を抱き寄せた 温かくてすごく幸せだったけれど純粋に喜べなかった だってこんな事を簡単にできるなんて私の事なんとも思ってないからなんじゃないかって不安になったから 「秋勝ー!おはよう。私もう仕事行くからね。」 「うん……おはよう………もう、そんな時間?気を付けてね…」 眠たそうな秋勝は寝起きのまま私を見送ってくれた なんだか秋勝が可愛かった いつもは嫌いな月曜の朝。爽やかな風を受けながら駅まで足取り軽く歩いた 今週は秋勝の家に泊まるのは止めておこう… なんせ大好きなblackのベーシスト高橋さんのライブだし 夜更かしなんてしちゃだめだ! 早く金曜日にならないかなー、 電車を降りたら都会を行き交う人でいっぱいだった こんないつもの光景もなんだか素敵に見えた
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