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生暖かい風が夜の下北沢に吹いて私の身体をぬるく包んだ
まるであなたと私の関係みたいね
ヒールが錆びた階段をカンカンと鳴らした。なんだか緊張してる
簡単な力で開けられる鍵を回したらより一層緊張が増した
「お疲れさん。今日は早かったね。」
柔らかい声と優しい声でTシャツ姿のあなたに迎えられたらなんだか緊張が緩んだ
「うん。今日は同僚と飲んできてないから」
「断ったの?よかったの?俺みたいな暇人放ったらかしていいのに。」
首の後ろを触りながら先に部屋へ向かうあなたの後ろ姿を見るとかっこよくなっていて置いて行かれた気がした。
「いや、私は秋勝に会いたかったから。」
ははっ、そりゃどーもですと軽く返した秋勝は振り返って先程と一変して
「で、今日は朝まで帰さないから。」
ガチャンと強い音で閉まったドアは私を檻に閉じ込めるようだった
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