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しかし土方の言葉に期待していた斎藤はそれを聞いた途端、大袈裟とも思えるほど落胆して肩を落とし顔を俯かせる。
「こにょハチャミはちぇいじょう(正常)にちゅかえう(使える)ようでちゅお?ちゅでに平ちゅけやしゃのしゃんで試ちまちたかや」
「―――ムッ!? そ、そうだったか……チッ、(あいつらめっ、余計なことを……ッ!!)」
ガッカリしたように言う彼に、土方は訳もなく罪悪感に苛まれて心苦しくなる。
気を持たせた分、落ちる落差も激しいからだ。
罪滅ぼしにと次の策を考えていた彼は、ふとある事に気づきそれをそのまま口にした。
「なら、つぐみになんでお前だけが上手く扱えないのか聞いてみたらいいんじゃねーのか?あいつなら現代人だし、それくらいわかんだろ」
「…あ……ちょうか……」
思わぬ盲点に斎藤も再度目を見開く。
現代のものは現代の人に聞けば良いのだと、漸くそこにたどり着いた斎藤は目を輝かせた。
もしかするとコツを教えて貰えるかもしれないと淡い希望も抱き、嬉しさに身を微かに震わせる。
それを見た土方は苦笑を溢したが、すぐに顔を引き締めて何でもない風を装った。
笑っているのを知られれば、彼はまたプンスカと怒りかねないからだ。
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