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葉月の待機部屋の前、俺は大きくひとつ深呼吸。
どう言葉にしたら葉月にこの想いが伝わるのかなんて分からない。
けれど何があろうと揺るがないもの。
それは冴子の代わりでもなく、親父を安心させるためのその場しのぎのプロポーズなんかじゃない。
きっと自分で自覚するずっと前から、俺は葉月に恋をしていたんだと思う。
きっと葉月が思っている以上に、俺は葉月を愛している。
彼女がぶつけて来る感情も何もかもが愛おしいと思えるなんて、やっぱり俺はイカレてるのかも知れないけど。
今の彼女に言ってやれるのはそれ以外にないんだ。
覚悟を決めてドアをノックするけれど、情けないことに微かに手が震えた。
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