エピローグ

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「それはそうと、新居祝い何がいい?」 私の問いかけに映見は遠慮なしに答えた。 「んーと、壁掛け時計とか欲しいな。ちょっとアンティークな雰囲気の」 「振り子時計みたいなの?」 「そうそう、そういうの」 先月末に完成した瀬那川と映見の新居は、私と歩が住む家から徒歩3分ほどの場所にあるだけに、それこそお鍋も冷めない近さだ。 すっかり歩の趣味に感化された映見はアンティーク家具に目覚め、新築のリビングには微妙に昭和チックな雰囲気が漂っている。 それに不満を漏らし続ける瀬那川だけど、彼もなんだかんだと言いながら映見の言いなりだ。 やはり年上女房な上に、社内でも上司とくれば自然とそうなってしまうものなのだろう。
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