2973人が本棚に入れています
本棚に追加
何かもやもやした気分だけれど、しぶしぶ俺は寝室へと向かった。
しばし様子を伺いつつ、暗闇で目を開いていたが結局葉月は寝室には来なかった。
あまり眠れないまま朝を迎えた俺は、キッチンで朝食を作る。
少しでも腹に入れておかないと一日持たないだろうしと、葉月に食べさせようとおにぎりを作っていると、客間から出て来た葉月と視線が絡んだ。
「葉月、おにぎり食べて」
「……ありがとうございます」
「うん。機嫌直った?」
その問いかけには、葉月はプイと顔を背けた。
「まだ怒ってんの?」
「別に怒ってません」
「怒ってるじゃん」
「怒ってないってば」
意地になって答える葉月につい笑いがこぼれそうになった。
最初のコメントを投稿しよう!