僕、宇宙人なんだ。

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随分と山奥に住んでるんだなぁ。 でも田口君の運転は、とても心地よく、車酔いなどはしなかった。 「ついたよ」 田口君は何も無い、山頂の駐車場に車を停めた。 「え?家なんてないじゃん。」 僕は不思議に思った。 すると田口君は上を指差した。 僕が見上げると、そこには巨大な円盤が浮かんでいた。 僕は驚いた。嘘だろう?マジでUFO? そして田口君の方を見ると、田口君が瞬きをした。 僕はそれを見てまた、驚愕した。瞼が下から上へ閉じたのだ。 それはまるで、爬虫類のような瞬きだった。 そういえば昔から田口君の目は切れ長のわりには、黒目がちで、爬虫類のそれと似ているようでもあった。 僕は今見ているものが信じられなくて、口があんぐりと開いていた。 すると、すうっと白い光があたりを照らし、僕は一瞬にして 円盤の中に移動していた。 「ね、宇宙人だって言ったでしょ?」 僕はあれは、冗談だと思っていた。 そして田口君は言った。 「高橋君を、今日は助けに来たんだよ。」 どういうこと?僕が彼にそんな疑問を口にしようとしたとたんに、 外が強烈な光に包まれた。僕はまぶしくて目があけていられない。 まぶしい強烈な光が網膜を通して照らさなくなってから、 僕はそっと目をあけた。そして僕は信じられない光景を目にする。 円盤の下は、シースルーになっていて、地上の様子がよく見える。 地上には、木々の緑も、街も、川ですら、何もなくなっていた。 「今日滅びる予定だったんだ。10年前から決まっていたことだ。だけど、僕は君だけは助けてって、お父さんにお願いしたんだ。僕らの調査はこれで終わったから。僕と一緒に、行こう。」 信じられない。じゃあ、お父さんも、お母さんも、僕の兄弟。 そして友人たち。人間、すべて死に絶えたのか?これは宇宙人、田口君たちの仕業なのか?僕は田口君につかみかかった。 「ふざけんな!何が決まっていただ!酷いじゃないか! 僕たちが何をしたって言うんだ!昔苛められた腹いせか?えっ?」 田口君は無表情だった。
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