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午前十一時三十二分。
犯人、確保。
森がパトカーに乗ったのを確かめると、喜納は、変わらず涼しげな面差しをしている十真に歩み寄った。
(本当に何なんだコイツは)
正体も本性も、闇の中にある少年。
上司の命令で、これまでさまざまな人物ーー警察関係者ではない一般人に、捜査協力をしてもらっていた。
だがこの子供は、あまりにも異質だった。
イレギュラーな存在、しかし姿も論理も言葉も美しい少年の、造られたように整った横顔に尋ねてみる。
「犯行の動機は?」
「……本人に聞いてください」
「お前が考える森の動機だよ、俺が聞きてぇのは。推測の域を出なくてもいいから」
おかしなことを言っている。
自覚済みだった。
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