第7章:『犯人はあなたです』

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「犯人がわかった!?」  喜納の驚嘆に、十真はうなずいた。 「これから、犯人に会いにいきます。一緒に来てくださいますか?」  当たり前だろ、と言いそうになって、ふと疑問に思った。 「……容疑者全員を集めるとかは……?」   「え?」 「いや、パターンだろ。一堂に会して、『犯人はこの中にいる!』とか」 「推理小説の読み過ぎです」  十真は目を背け、軽くため息をついた。  きれいな瞳が、少し冷えた目線を向ける。 「……真実を知りたくない人もいるし、犯人だって、知ってほしくない人がいるかもしれませんし、それに」 「それに?」 「僕も、大勢の前で推理を披露するのは、苦手ですから」  十真は小声で付け加えた。  喜納は不思議そうに頭をひねる。  あまり腑に落ちなかったが、だが今は、もっと重要なことがある。 「それで、いったい誰なんだ?」 「これから順に解き明かします」  十真は捜査資料の中の、校内地図を手に取った。  さっと目を通し、喜納を促した。 「ついてきてください」 (もう覚えたのか!?)  驚く喜納を後目に、十真は一寸の迷いも無く歩き出した。  目的地へ。  犯人のいる場所に。
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