第7章:『犯人はあなたです』

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 喜納は半ば愕然としていた。  あまりにも早すぎるからだ。  十真は流暢に、真相を、真実を話し出した。 「まず、被害者の宮脇先生の『消えたモミアゲ』についてです。  推測の域を出ませんが、限りなく真実に近いと思います。  といっても、直接的に真相にはつながらないんですか……」  そう注釈をつけてから、歩を進めて続きを語る。 「犯人はモミアゲコレクターでもなく、ましてや犯行の記念品としてモミアゲを奪ったわけじゃない。  それどころか、モミアゲを剃ったのは犯人じゃないんです。  ーーモミアゲ本人ですよ」  『モミアゲ』がゲシュタルト崩壊寸前だった。  喜納は脳内で文章からまぎらわしさをすべてはぎ取り、 「……宮脇自身が、モミアゲを剃ったってわけか?」 「そうです」  ややこしい。
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