第7章:『犯人はあなたです』

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 扉を開けた瞬間、森がこちらを振り向いた。  目も口も限界まで開き、心底驚いているようだ。  イタズラの最中に大人に見つかった子ども、そのものだった。 「というわけです、森さん」  靴を脱いだ十真は室内に入り、森と距離を縮めていく。  喜納は逃亡防止に、さりげなく玄関を己の身体でふさいだ。  透徹とした表情で、十真が言い放った。 「あれだけ大きな声でしゃべってたんです。聞こえていたでしょう?」 「……こは?」  森は低い声で呻いた。 「証拠は?」  少し、声が震えている。 「証拠……って、そんなこと言ってる時点で犯人じゃねーか!」  喜納が豪毅盛んに詰め寄った。  やはり推理小説のように、論理の決め手だけでは犯人は落ちない。  動かぬ証拠。  それが必要不可欠だ。
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