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十真は、自白は期待できないと悟ったのか、
「では、洗濯機を調べてみますか?」
「え?」
森が聞き返す。
喜納は「あっ!」と声を上げた。
「焼却炉で処分した可能性も考えられますが、どっちにしろ、時間はかかっても必ず警察のみなさんは見つけ出します。
ーーあなたが宮脇先生を殺したときに着ていた、衣服」
森の、新品同様のツナギが一瞬で色あせたーーように、喜納には感じられた。
「犯行から死体発見までそんなに時間は経ってません。
そして警察が来てからは、あなたはずっと自由を奪われていた。
服をどこかに隠したのなら、捜査令状を取って家宅捜査をしてもいいし、学校中でも探せます。
洗濯機で血痕を洗い流したとしても、目に見えなくなっただけでちゃんと残ってる。
焼却炉で燃やしても、燃えカスを調べれば」
一度付着した血痕は、そうそうなことでは落ちない。
一度罪を犯せば、その証は完全に隠すことも消すこともできないのだ。
「それが、あなたが犯人である証拠。
チェックメイトです、森さん」
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