第1章

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田中くんとのことは私にとって淡い初恋…? 告白されて、初めて男の子を意識した人だった。 面と向かって話すとドキドキして、近づくのが怖かった。 今、もし田中くんが近くにいて同じように付き合ってって言われたら… 付き合っていたのかな。 中学の思い出から逃げるように、この高校を選んだとき… 田中くんとの関わりを自分から完全に絶った。 高校でもモテる田中くん 入学して半年… もう彼女が出来ていても不思議じゃない これも運命だろう。 席につき、何気なく中庭の木に目が行った。 緑が濃くなって葉の厚みも増している。 四月は黄緑色で弱々しかった葉っぱが、今は日の光を受けて眩しいくらいキラキラ輝いている。 今がきっと一番輝いている季節。その葉っぱたちを見ながら、私もあんな風にイキイキと輝きたいと思う。 いつもは気にもとめない木の葉を自分に置き換えて見るなんて、中学時代を思い出して少し感傷的になったのかな。 何時もと違う思考回路が可笑しくて、葉っぱを見ながら頬が緩むのを感じた。
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