第1章

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始業式… 校長先生の話ってなんでいつも長いんだろ? 長い話に興味が湧かなくて、内容が頭に入ってこない。 まるでお経みたい 話の間、休み中の不摂生のためか時折ふらつくのを必死で耐えていた。 後数分長かったら、貧血で倒れていたかもしれない。 ホームルームは座って聞いてられるから、ダルくてもなんとかやり過ごした。 体が馴れるまで暫くキツそうだ。 ホームルームも終わり、部活に入ってないから今日は昼までで帰宅。 待ってましたとばかりに、筆記用具とプリント類だけの軽いカバンを持って部活で残る七海に、 「七海、お先に―、バイバイ!」 と笑顔で告げて教室を後にした。 ハァー、やっと学校から解放された! 安堵のため息をつき、生徒玄関に向かう。 そう言えば、朝一緒に登校した高村くんは部活に入ってるのかな? 入ってなければ帰りも同じ電車かもしれない。 心の隅に期待の気持ちが見え隠れするのを打ち消すように、足を早めた。 下駄箱付近の帰宅する生徒を見回したが、それらしい人はいない。
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