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家に帰っても高村くんの話が甦り、母が元気なことに感謝したり、呑気な父の存在に幸せを感じた。
今まで当たり前だった生活が実は幸せなことを、人の不幸な話を聞いて分かるなんて…なんて愚かなんだろう。
高村くんがこれから苦しまないように、願わずにいられなかった。
次の日…
電車に乗り込むと、座席に座る高村くんを見つけた。
「おはよ。どこから乗ってるの?」
「上井駅、三つ手前の駅だよ。」
「そうなんだ。」
「田中の家も近いんだ。」
「へー。」
「幼稚園から一緒だったから、お互いの家にも行き来してたんだ。」
「そうなの。」
「母親が亡くなってからあまりいかなくなって…田中も遠慮して来なくなった。
夏休み、久しぶりにあいつが来たんだ。」
「それで会ったんだね。」
「ああ、そんで浅井のことを相談された。」
「私のこと…?」
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