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「ううん、田中くんは優しかったし…
友達とのことがなかったら付き合ってたかもって…。」
「もう高校なんだから、中学の女子は関係ないだろ?敦のことだけ考えろよ。」
「う…ん。」
「敦に連絡していいな。今度の土曜10時に浅井んちの最寄り駅で待ち合わせ。」
「えっ、そんなに早く?」
「善はいそげだろ?」
「まだ心の準備が…」
「そんなのいつまで経っても準備なんて出来ないだろ?先ずは会ってみてだ。」
楽しそうな笑顔を向ける高村くん。
戸惑いつつも、その笑顔を見てホッとしていた。高村くんの気持ちが少しでも晴れるなら、田中くんとあってもいいって思えた。
彼の笑顔が少しでも長く続くいてほしかった。
「浅井って一人っ子?」
「そうだよ。なんで?」
「ホワホワってしてるから…。
兄弟がいれば揉まれてもっと自己主張するだろ?」
「俺も中学まで一人っ子だったから分かる。
今は弟がいるらしいけどな。」
そっか、兄弟と争うことも競争もなく、親の愛情を一人占めだからそうなるのかな?
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