第1章

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七海の目は恋する目だ。高村くんが七海を受け入れるのかは分からないけど、好きになってくれる人がいるって彼にとっていいことだと思える。 人に愛されることが彼に力を与えればいい。心からそう思える。 昼休み、七海が目を輝かせてやって来た。 「高村くんと話そうと思うんだ。」 「え、もう?」 「善は急げだよ。早くしないと他の子に先越されちゃう。」 「七海は積極的だね。」 「夕貴が呑気なんだよ。いい人はみんな狙ってるんだから…。ねえ、夕貴も一緒に来てよ。」 「えー、私も?」 「初めて話すのに一人じゃ不安だから…。ね、お願い!」 「邪魔じゃない?」 「ううん、心強い。」 昨日から高村くんと濃い話をしていた。 彼の恋愛の話にまで加わりたくない。 出切るなら七海一人で行って欲しいけど、拝むように頼まれて断りきれない。 高村くんはたぶん恋愛どころじゃない気がする。 それを七海に話せば、色々聞かれそうだから言えないし… 「…じゃあ…最初だけね。」 「やったー。夕貴いこう。」 七海に腕をとられて、渋々高村くんのクラスに向かった。 クラスから出てきた女子に七海が声をかけた。 「高村くんを呼んで貰いたいんだけど…。」 七海の言葉を聞いていた女子の目が険しくなった。
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