第1章

24/31
前へ
/31ページ
次へ
「高村くんに何の用? 彼を呼び出す女子は、あなたで三人目。彼、面倒臭いって断ってるみたいだけど…?」 「用事があるの。浅井が来たって伝えて欲しいんだけど…。」 七海の代わりに女子に伝えると、 「分かったわ。一応伝えるけど、出てこなかったら諦めてよ。」 そう言い残してまたクラスに入っていった。 「やっぱり高村くん、モテるみたいだね。」 七海が不安そうに囁き、その言葉に頷いた。 程なく高村くんがやって来た。 「用って何?」 こうやって面と向かうと、今更ながら彼の端整な顔だちにドキドキする。 高村くんって睫毛が長いんだ くっきり二重が爽やかな感じ 鼻筋がスーっと通っていて長身でスタイルもよくて、まるでモデルさんみたい… 今まで意識してなくて、何気なく見ていた彼の綺麗さに驚かされた。 七海が好きになるのも無理はない。 「ちょ、ちょっと時間とれる?」 「いいけど?」 「中庭で話したいんだ。」 ここは女子の目が気になる。高村くんはかなりモテモテで回りの女子の視線が痛過ぎる。 ここで話すのは気が引けた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加