第1章

26/31
前へ
/31ページ
次へ
昼休みが終わる頃、七海がニコニコしながら教室に帰ってきた。 「夕貴!」 私を見つけて、満面の笑みを浮かべながら駆け寄ってきた。 その顔を見ただけで、二人の会話が弾んだのだろうってわかる。 「上手くいったみたいだね。」 「ありがとー、夕貴。高村くんに告白したらありがとって。 今は気持ちに余裕がないから、友達としてならいいよって。」 「そっか、良かったね。」 それは高村くんの本音だ。彼に告白してくる人は多いんだろうに、ちゃんと誠意をもって答えてるように思えてホッとした。 七海は可愛いし、性格もいい。今は余裕なくても、苦しみが落ち着いたら、友達から恋に発展するかもしれない。 一人で頑張る高村くんには、支えてくれる人が必要だ。 いつか七海がそんな人になれたらいいと心から思えた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加