30人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後
卓球部の七海は部活だ。
「夕貴は高村くんと帰りが一緒なんでしょ?」
「うん、まあ。家が同じ方向だからね。」
「いいなー。」
「詳しいことは聞いていないけど、高村くん、もう少ししたらこっちに引っ越すらしいよ。」
「え、ホント?
嬉しい!!そしたら早く帰らなくていいね。部活するのかな?」
「その辺はよく分からないけど…。」
彼はバイトをするって言ってたけれど、あまり詳しくは言えない。
好奇心旺盛の七海に突っ込まれて、家の事情まで言うはめになったら大変だ。
「高村くん早く越してこないかな…。あ、ヤバい、部活行かなきゃ!!
夕貴、バイバイ。」
「バイバイ七海。」
教室を飛び出していく七海を見送って、ゆっくり立ち上がった。
帰ろ
高村くんはもう教室を出たかな
別に待ち合わせてるわけじゃない。
昨日、先に行ったら、冗談っぽくだけど待ってないことを責められた。
待ってた方がいいのかな?
方向が同じだし、電車の時間も決まってるんから、待っても待たなくてもたぶん同じ電車だろう。
付き合ってるわけじゃないんだから、待たなくていいよね。
七海に紹介した後だし、何となく学校から一緒に帰ることに抵抗を感じて
そのまま駅にいっちゃおう
高村くんを待たずに学校を出た。
最初のコメントを投稿しよう!