第1章

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放課後 卓球部の七海は部活だ。 「夕貴は高村くんと帰りが一緒なんでしょ?」 「うん、まあ。家が同じ方向だからね。」 「いいなー。」 「詳しいことは聞いていないけど、高村くん、もう少ししたらこっちに引っ越すらしいよ。」 「え、ホント? 嬉しい!!そしたら早く帰らなくていいね。部活するのかな?」 「その辺はよく分からないけど…。」 彼はバイトをするって言ってたけれど、あまり詳しくは言えない。 好奇心旺盛の七海に突っ込まれて、家の事情まで言うはめになったら大変だ。 「高村くん早く越してこないかな…。あ、ヤバい、部活行かなきゃ!! 夕貴、バイバイ。」 「バイバイ七海。」 教室を飛び出していく七海を見送って、ゆっくり立ち上がった。 帰ろ 高村くんはもう教室を出たかな 別に待ち合わせてるわけじゃない。 昨日、先に行ったら、冗談っぽくだけど待ってないことを責められた。 待ってた方がいいのかな? 方向が同じだし、電車の時間も決まってるんから、待っても待たなくてもたぶん同じ電車だろう。 付き合ってるわけじゃないんだから、待たなくていいよね。 七海に紹介した後だし、何となく学校から一緒に帰ることに抵抗を感じて そのまま駅にいっちゃおう 高村くんを待たずに学校を出た。
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