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眠りを邪魔する耳障りな目覚ましを止めて、再び心地よい夢の中に吸い込まれていく。
少しだけ残った意識が『今寝たら遅刻するよ』と主張する。
消えかけていた意識が、少しづつ戻ってきて
やっとのことで布団から這い出した。
夏休みの不摂生で、頭はまだ寝ている状態…
夢うつつで階段を下りていくと、もう朝御飯のいい匂いが漂っていた。
「おはよ夕貴。」
「ふぁぁ、眠い。
はよ。」
「よく起きれたね。」
「なんとかね。また明日からお弁当よろしく。」
「まったく、何で青雲なんかにしたんだろう。西高だったらゆっくり寝てられるのに…。
母さんの睡眠時間分しっかり勉強しなさいよ!」
母さんの睡眠時間がなんで私の勉強時間に変わるのか、訳がわからないと思いながらも
「はーい、感謝してま―す。」
ブツブツ言いながらもいつもしっかりお弁当を作ってくれる母に、一応感謝の意を伝えた。
弁当にありつけなくなったら大変だ。買い慣れない私では、購買のパンの争奪戦に太刀打ちできないと思うから…。
昼時の購買部の人だかりに入るのだけは絶対避けたい。
軽く朝御飯を食べ、不機嫌な母から逃げるように家を出た。
9月ともなると、暑さは少し落ち着いてきた。暑いなりに朝の空気はカラッとしていて心地いい。駅まで歩くうちに眠気も取れて頭がスッキリしてきた。
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