第1章

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田中君とは同じクラスになったこともなかったし、話したこともなかった。 彼のことを嫌だとは思わない。可愛い顔をしてるなと、好印象ではあるのだけれど… だからと言って付き合うって気持ちには程遠い気がする。 「ごめん、私は田中くんのこと知らないから…。」 「そうだよな… じゃあ友達からってことでどう?」 友達なら… 女友達と同じように話したりするだけ…? それなら…。 恋愛抜きで気楽に話せるような友達としてならいいのかも 「じゃあ、友達として…。」 「いいの?やった! 早速だけど、今度の日曜何処かに行かない?」 「え?だって…。」 「俺を知ってもらわなきゃ友達にもなれないだろ?」 「じゃあ、二人だけじゃなく他の友達と一緒なら…」 積極的な田中くんに乗せられるように、その頃仲が良かった亜美を誘って、田中くんの友達の結城くんと四人で水族館に行くことになった。 初めての経験でウキウキして楽しかったのを覚えている。 そのあと数回四人で出掛けて、それなりに楽しかった。 けれど、そのうち亜美が四人で出掛けるのを断ってきた。
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