第1章

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「私行かない。 夕貴は結城くんが夕貴のこと好きなことを知ってて私を誘ったの?」 「え、そんなこと…知らないよ。結城くんとはそんなに話してないから…。」 「私、バカみたいじゃない。一緒に行ってる男の子は二人とも夕貴が好きで… とんだ引き立て役じゃない。面白がってたんでしょ?」 「そんなことないよ。私は大好きな亜美と一緒に出掛けられて楽しかったの。男の子と話すのが苦手だし、亜美が一緒にいてくれて嬉しかった。 面白がるなんて絶対ないよ。」 「ホントかしら? 夕貴はズルい。自分じゃ何もしなくて私に頼りっぱなし… 男の子はそんな頼りない子が好きなのよね?分かってやってるんじゃないの? 田中くんと付き合うなら二人で会えばいいでしょ?」 「そんなこと…私結城くんのことなんとも思ってないよ。」 「じゃあ尚更二人で行けば?結城くんが可愛そうだよ。」 「ごめん。亜美に嫌な思いさせていたんだね。田中くんには私から断るから…」 「ご自由に!!」 冷たく言い放って亜美は去っていった。それから彼女は私から離れていった。 亜美が結城くんに告白してフラれたことを後で田中くんから聞いた。 亜美が結城君のことを好きだなんて知らなかった。私の中では四人とも友達で、好きとか嫌いとか抜きで四人で行動して、たわいない話をするのが楽しかった。 私はきっと浮かれてたんだ。 亜美の気持ちをもっと気遣っていれば… 亜美に頼らずもっと自分を出すことができれば… 亜美を怒らせないでいられたのだろうか? 恋愛に奥手でどちらかと言うと男子が苦手だった私が、男の子と友達付き合いをすることが無理だったんだ。 私が悪かったんだ。 その後、田中くんから二人でデートのお誘いがあったが、断った。 田中くんのことは嫌いじゃなかったけど、その頃には私が誰にでもいい顔をするという噂が流れていた。 それまで友達だと思っていた子達は、亜美の言葉を信じてみんな私から離れていった。
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