第1章

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その時から友達を作ることが怖くなった。 所詮私の回りの友達と呼んでいた子達は、その程度の付き合いだった。 その子達が離れていったことを悲しいとは思わないし、人の言葉に左右される友達なら作りたくもない。 友達に期待しなくなった。 用がない限り私からは話しかけない。 亜美の言葉を信じたクラスメートたちは、いつしか私を視界に入れなくなった。 思い出したくない中学生活。 高校にきてあの頃のことを忘れられると思っていたのに… またあの頃の苦しさや胸の痛みが甦ってしまった。 沈みかけた気持ちを引き摺りながら改札をでると、先程の男子がまた私の横に来た。 「さっきは突然ごめん。」 「こちらこそ、あなたには関係ないのに、嫌な言い方してごめんなさい。」 中学の時の話はしたくないけど、この人に何かされた訳じゃない。 「いいんだ。中学の時、嫌なことがあったのは聞いてるよ。 俺は田中敦の友達の高村優人。」 「田中くんのクラスに行ったとき、見たことある。」 「覚えてくれてたんだ。 敦、心配してたんだ。夕貴が一人でいるのは俺のせいかもって…。」 田中くんは気にしてくれていた。彼は何も悪くない。 原因を作ったのは私…。 臆病で恋愛ベタな私が、友達を巻き込んだからあんなことになったんだ。 「田中くんのせいじゃないから…。それに… 中学のことはもう…」 「ああ、そうだな。嫌なこと思い出させてごめん。 なあ、電車ん中長いだろ? 今まで気づかなかったけど、多分いつも同じ電車だからよろしくな。」 「う、うん、よろしく。」
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