爽やかな朝もブ少女の手にかかれば不快感に変わるんです。

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 おはようございます。極々普通の女子高生、白鳥ヒナです。  現在朝の7時45分。学校に向けてトーストをくわえたまま走っております。我ながらベタな登場だと思っています。  私とブ少女達は、幼稚園の頃からの付き合いです。  小学生の頃までは、顔や体型なんか気にせずみんな仲良く遊んでいました。  でも中学、高校と思春期を迎える頃には、私は彼女達の変化に戸惑いを覚えずにはいられませんでした。  ムチコはゴリラみたいに野性的に進化し、  ミチルは宇宙人みたいに個性的に変化し、  サダメは幽霊みたいに魔性的に劣化し、  クイナはブタみたいに慢性的に肥えていく。  それでも、心だけは出会った当時のまま。だから私は、高校生になった今でも、こうして彼女達と友達でいる。例え周りからドン引かれようとも、友達でいるのをやめたりしない。  見た目や評判だけで縁を切ったら、それこそブサイクより質の悪い、心の醜い女になるから。  でも……彼女達の個性にすっかり隠れ、完全に“見えにくい女”にはなってるな、私。ただでさえ背低いし。
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