いもうとしゃべる

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やはり妹は、素直に育ち過ぎたと思う…。 でも、本当に大切な“なにか”を埋めてしまわないくらいには、 俺に対して反抗心があったのだとほっとしていた。 …が、それはどうやら違ったみたいだ。 あとから聞かされて、思い出したことがあるんだ。 ────「おまえさ、大切だからってなんでもかんでも埋めてると、いつかなくすぞ?」 「なくさないもん。」 「なくすんだってば… 大切にし過ぎて箱なんかに入れてると、壊れても気が付かないことがあるんだよ。 だからさ、もしおまえが、本当に大切なものを見付けることが出来たときは… しまったりしないで、一緒に過ごすのがいいと思うんだ。」 「ふうん。」────
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