いもうとしゃべる

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…それでも、 本当に大人になる頃には、もうしないだろう… 俺は、そうたかをくくっていた。 おそらく、両親もそうだったと思う。 それから大学を卒業した俺は、就職を機に家を出た。 けれども、ずっと妹のことが気になっていて… 両親と約束した月に一度の電話の際には、母にその様子を訊ねることを忘れなかった。 「あいつは相変わらずなの?」 「ええ… 最近は埋める範囲がどんどんひろくなって…大きなシャベルまで使うようになっちゃって。 お兄ちゃんの部屋が空いてるんだから、そっちに置けば?って言ったんだけど、 こればっかりは聞いてくれないの。」
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