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――残念な事に、これは作者にとって純情を本気で隠蔽し書いた結果なのだ。純愛の物語ではあったのだが、なに、人称も名詞も描写も、あらゆる意味で一つに絞らなかった作者に非がある、無論作者にはこれは純愛の話であり、また様々な物語の一つであると言える、読み方を変えると、例えば順序でまた違う世界が存在を露にするもので、作者さえ全てを把握してはいない。名詞も違うものを差し入れたのだし、これこそが、与太話である――。  作者不明、タイトル、本、良く分からない本を拾った、なんなんだ、この良く分からない内容は、しかしこれは喜劇だ、少なくとも、道端で拾って読んだ個人として、他の人間では悲劇にもなり得るのだろうし、これに見出だした価値は笑い話でしか。むしろそうとしか、読むに読めない話だった。友は、ぐへっと苦い顔で読んでいたので、多分違う話があったに違いない。  あっはっはっはっ、いかん、まだ笑える。
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