二章

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 リゾート用のヨットから小型漁船まで、 様々な船舶が雑多に停泊している夕刻の波止場には人影もまばらだ。 お姉さんは私をここまで連れてくると、 どうですか?と握ったままの手をそっと離した「______ さっきよりは緊張はしていないでしょう」  握られたほうの指の腹を触ってみると、 確かにさっきよりも乾いている「______慣れたの、 でしょうか?」  「少なくとも、 わたしには慣れてくれました。 ______そういえば。 自己紹介が遅れてしまいましたね。 わたしは、 久我澪と申します。 よろしくお願いします______」彼女は柔らかに、 この場合は淑やかとでもいうのか、 とにかく女性のわたしから見ても女性らしい仕草でお辞儀をした。 澪さん、 か。
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