二章

50/60
前へ
/422ページ
次へ
 「あの。 私を呼び止めたのって、 そのために?」  「そのためというのもあるけど……それだけじゃ、 ないのよ______」  澪さんはここに至るまでの経緯を私に話してくれた。 それによると土曜日に相馬に恫喝されて気を失った直後に所長から連絡を受けて清浄所に赴いたらしい(そういえば、 所長はまだお目にかけていない。 澪さんの口ぶりからは女性っぽいが)。 私が始めて彼女と出会ったのはその時だったということだ。 澪さんは、 私が普段どのように観えているのかとか、 あの傘を観た時に感じた違和感のことなどを特に念入りに聞いた。
/422ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加