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「澪さん。
あの、
なにを」
彼女はそれには答えず、
今日の本題ですと、
私の頬をムニムニしながら話しかける「昼間にあの相馬さんも言っていたことの、
繰り返しになってしまうけどね。
あの傘のあの影は観測士ではない方にも見えていた。
そんなことは瘴気に汚染されていようがされていまいが、
こちら側では起こり得ないのに。
でも、
実際には起こっているの。
それは、
わかりますね」
「はい」
もうそろそろ暗がりも深くなって、
代わりに波止場に停泊された船のきしむ音だとか、
草の匂いだとか、
私の頬を撫でる手のぬくもりだとかが鮮明になる。
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