夢見る人形

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女っタラシとか、そういうものを遥かに超越した、何か別次元の域に達しているのだろうと、私の中で結論付けた。 「…いえ、お店の仕事がありますので」 とはいえ、これでもお店のお得意様だ。 失礼のないよう、にっこり営業スマイルを浮かべつつも、バッサリ断る。 「それじゃあ、いつにする?休みの日なんてどうかな?それとも、サクラちゃんの休憩時間にしようか?」 それでも、諦めないのがレオンさんだ……。 遠回しな断りに気付いていないのか、それとも、分かっていて気づかないフリをしているのか…。 「いえ…休みなんてありませんし、休憩時間も、そんなにある訳ではないので」 やんわりと躱しつつ、それでも『行く暇なんてありません』アピールを忘れない。 「え?休みないの?大丈夫?極悪非道な誰かさんに、こき使われてるんじゃない?」 言いながら、顔を寄せてくる。 いや、近いから! 極悪非道な誰かさんには、こき使われてるけど、大丈夫だから! 「修行の身ですから、これ位は」 「なに言ってるの。うら若き乙女が、あんな極悪非道人の元で、悪戯に青春時代を潰されるなんてあり得ないよ!」 ………いや、まぁ、不思議と間違っている気がしないのは、何故だろう。
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