678人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
女っタラシとか、そういうものを遥かに超越した、何か別次元の域に達しているのだろうと、私の中で結論付けた。
「…いえ、お店の仕事がありますので」
とはいえ、これでもお店のお得意様だ。
失礼のないよう、にっこり営業スマイルを浮かべつつも、バッサリ断る。
「それじゃあ、いつにする?休みの日なんてどうかな?それとも、サクラちゃんの休憩時間にしようか?」
それでも、諦めないのがレオンさんだ……。
遠回しな断りに気付いていないのか、それとも、分かっていて気づかないフリをしているのか…。
「いえ…休みなんてありませんし、休憩時間も、そんなにある訳ではないので」
やんわりと躱しつつ、それでも『行く暇なんてありません』アピールを忘れない。
「え?休みないの?大丈夫?極悪非道な誰かさんに、こき使われてるんじゃない?」
言いながら、顔を寄せてくる。
いや、近いから!
極悪非道な誰かさんには、こき使われてるけど、大丈夫だから!
「修行の身ですから、これ位は」
「なに言ってるの。うら若き乙女が、あんな極悪非道人の元で、悪戯に青春時代を潰されるなんてあり得ないよ!」
………いや、まぁ、不思議と間違っている気がしないのは、何故だろう。
最初のコメントを投稿しよう!