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「なんなら、俺から言ってあげようか?」
「へぇ?一体、何を言うつもり?」
聞こえてきた聞き覚えのある声に、サーッと血の気が引いた。
振り向くと、アルフォンスさんが機嫌悪そうに笑いながら立っている。
「あ、極悪人」
そんなアルフォンスさんに臆する事なく、レオンさんは指を差して呟いた。
「ちょっと、アル。聞いたんだけど、サクラちゃんの休日がないってどういう事?ここって、ブラック企業な訳?」
見たところ二人とも年齢が近そうな事もあり、言いたい事をポンポンと言い合う仲だ。
「年中無休なんだから、休みなんてある訳ないでしょ。本人が望むなら、考えてあげない事もないけど?」
………望むだなんて、とんでもない。
後で、どんな目にあうか、考えただけで恐ろしい…。
「じゃあ、一日くらいはあげなよ。俺とのデート休日」
「は?何それ。必要ある訳?そんな下らない休日」
真顔でバッサリ切り捨てるアルフォンスさんに、レオンさんは膨れっ面で不満を訴える。
「休日にデートするなんて、健全だよ。誰が、どう考えても、素晴らしい休日じゃないか。そんなんだから、アルはモテないんだ」
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