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う~~~っ!!!!
「………ふっ」
縮こまって小さくなっていると、アルフォンスさんが吹き出して、クスクスと笑う声が聞こえてきた。
………へ?
恐る恐る目を開けると、目の前でおかしそうに笑うアルフォンスさんの姿があり、そこで気が付いた。
か!
揶揄われた!!!!!!
「顔、真っ赤」
「!!!!!!」
ニヤニヤした顔で指摘され、慌てて両手で頬を隠す。
そんな私の耳元に、アルフォンスさんが顔を寄せて来た。
今度は、何!?
警戒心丸出しの私の耳に、無駄に美声なアルフォンスさんの声が、擽るように響く。
「君は、もう少し男の躱し方を学んだ方がいいかもね」
「……っ」
それだけ言うと、アルフォンスさんは、さっきまでの不機嫌さは何処へやら、意地の悪い笑みを浮かべながら、上機嫌な様子で書斎を出て行った。
「………」
アルフォンスさんが出て行った後も、その場から動けずに、呆然とドアを見つめる。
一人残され、ゆっくりと持ち上げた手で、言葉を囁かれた方の耳に、そっと触れた。
「……熱い…」
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