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*夢見る人形・4*
……………なんてこった。
今、我が身に起こっている状況に、頭を抱えたい気分に陥った…。
あれだけ気を付けろと言われていたのに、事故とはいえ、迂闊に触ってしまった自分が悔しくて仕方がない。
「……どう致しましょうか?」
困った様子で私を見たギルバートさんが、窺うようにしてアルフォンスさんを見る。
「どうするもこうするも、自業自得なんじゃないの」
そんなギルバートさんに、アルフォンスさんは、冷たく言い放つ。
いや、冷たく言い放った相手は、間違いなく私だ。
「人形は無事だった」
今の状況とズレている意見を言ったのは、他でもないテオさん。
人形が無事でも、私が無事じゃないんです!
何、その、『だから大丈夫』みたいな発言!
「ですが、このままという訳には…」
一人、私の身を案じてくれるギルバートさん。
なんてっ…なんて良い人なんだ!!
二人とも、ギルバートさんの爪の垢でも煎じて飲んだらいいのに!!
「まぁ、この状態をどうにかするには、直接、話を聞くしかないだろうね」
やれやれと言わんばかりに肩を竦めたアルフォンスさんは、溜息を一つ漏らした。
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