アンティーク救済店・招き堂

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*アンティーク救済店・招き堂・1* 街の裏道に入り、少し奥に進むと、品の良い木材で建てられたこじんまりとしたお店がある。 大きなガラス窓からは、店の中の様子が見え、覗いた人にアンティークのお店だと悟らせる。 手触りのいい滑らかな木の扉を開ければ、涼やかな鈴の音が店内に鳴り響く。 いらっしゃいませ。 何か、目にとまりましたか? それとも、何かお探しでしょうか? おや? その手に持たれている、『ソレ』……曰く付きの品物ですね? 宜しければ、お話しを聞かせていただけませんか? 奥に、店主も控えております。 気兼ねなくお話し下さい。 ここは、そういうお店。 古い物には、何かが宿るとも、憑くとも言いますでしょう? 良い『何か』でしたらいいのですが、そうでなければ……。 折角の美しいアンティークたちが、そういった『何か』の所為で、忌み嫌われ、大切にされないのは悲しくなりますものね。 どんな小さな小物でも、どんなに大きい物でも、ここは何時でも承ります。 その悪さをするという、得体の知れない『何か』。 祓わせていただきましょう。
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