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振り向くと
「ああ、やっぱりあなたが――」
仕立ての良いスーツを着た
いかにも仕事の出来そうな男が僕を見て微笑んでいた。
「あなたは……?」
「イ・ソンジュ氏の使いで参りました。秘書のジヌです」
敏腕秘書ってところか。
「日本語がお上手ですね。九条敬です」
「どうも」
ビジネスライクな笑顔を浮かべ
握手を交わす。
「ではこちらが――」
やはり分別のある人だ。
ジヌは遠慮がちにほんの一時だけ
和樹に視線を向けた。
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