第1章

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近未来ー 心を読み、操ることのできる新人類が登場したために旧人類は存亡の危機に陥っていた。 壁や距離などいかなる物理的障壁をも透過してくる思念によって、人々はひとり、また一人と屈服した。 戦車もミサイルも通じない相手に各国の軍隊はなす術もなく、新人類の支配領域は瞬く間に拡大する。 やがて彼らは、未だ支配していない秘境へと足を踏み入れていった。 近隣の住人は全て彼らの傘下に入り、目立った抵抗もないので数日も経たぬうちに立派な橋頭堡を築くことが出来た。 一歩ずつ足を進めるたび、新人類による支配が広まっていく。 夜になったので新人類の戦闘部隊は陣を張り、そこに砦を築いてしばらくの拠点とすることにした。 部隊の隊長は一応斥候を出して明日侵攻するところを探索させた。 一昼夜が経った。 しかし斥候は帰ってこない。 もう一度斥候を出す。 しかし、いっこうに戻ってこない。 業を煮やした部隊長は、自ら将兵を率いて斥候を出した方へ向かった。 案の定、斥候達は泡を吹いて倒れ冷たくなっていた。 部隊長含め、そこにいた全員が何か得体のしれない存在に恐怖した。
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