第1章

3/4
前へ
/4ページ
次へ
部隊長とその他は、すぐにその場を去り陣に戻った。 斥候に行った者たちは一体何に襲われたのか。 部隊長は回収した遺体を調べさせるように指示を出し、近くの街で調達した安定剤を飲むとゆっくり横になった。 また夜になった。 部隊長は目覚めていたが、その心のうちは不安と恐怖で一杯であった。 今まで心を読み、自在に操作出来る新人類は無敵であった。 それを倒したとすれば相当な力を持つ同類か、でなければ本物の魑魅魍魎の類だということだ。 彼女がそうして考え込んでいると、櫓にたてた見張りの一人がやってきた。 「し、失礼いたします」 挙動のおかしい見張りに何事かと詳細を尋ねると、 「喜捨を募りたいという男がやってきたのであります。そいつが怪しかったので尋問しようとしたところ、仲間が泡を吹いて倒れたのであります」 間違いない。 その男が斥候達を屠ったのだ。 部隊長は足早に男が出たという陣の西側へ向かった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加