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部隊長とその他は、すぐにその場を去り陣に戻った。
斥候に行った者たちは一体何に襲われたのか。
部隊長は回収した遺体を調べさせるように指示を出し、近くの街で調達した安定剤を飲むとゆっくり横になった。
また夜になった。
部隊長は目覚めていたが、その心のうちは不安と恐怖で一杯であった。
今まで心を読み、自在に操作出来る新人類は無敵であった。
それを倒したとすれば相当な力を持つ同類か、でなければ本物の魑魅魍魎の類だということだ。
彼女がそうして考え込んでいると、櫓にたてた見張りの一人がやってきた。
「し、失礼いたします」
挙動のおかしい見張りに何事かと詳細を尋ねると、
「喜捨を募りたいという男がやってきたのであります。そいつが怪しかったので尋問しようとしたところ、仲間が泡を吹いて倒れたのであります」
間違いない。
その男が斥候達を屠ったのだ。
部隊長は足早に男が出たという陣の西側へ向かった。
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