第1章

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そう言い終えると、不機嫌そうに横になった。 その表情は悔しそうな悲しそうな、 深い影のある表情だった。 何が起こったか分からず、 でもそれが終わったのがわかった私は、カーテンを占めた。 もう彼の表情は見えない。 それから彼に背を向けて、蹲った。 「何か変なこと言ってなかった?」 彼のその言葉に「ううん」と否定した。 それから「なんで」と聞いた。 彼は笑って、教えてはくれなかった。 それからも彼とは付き合いを続けている。 でも以前の彼ではもうなかった。 友達以上、恋人未満。 そんな中途半端な場所に、私の彼は移った。 彼の優しさの裏側を垣間見たような気がした。 光の影には闇がある。昼と夜のように。 努努、ご注意を。
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