お花を描いたよ

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ユキは泣き出すかと思いきや… 「やったー!」 さっきまでの緊張はどこへやら、大喜びして絵を手に庭へ出た。そして、部屋の中から一番よく見える木に、その絵を上手に置いた。 驚いたことに、少し離れたところから眺めると、大胆すぎて何だかよくわからなかったユキの絵はとても華やかで明るい、間違いなく美しい花の絵と言えた。 ユキは部屋に戻って、満面の笑みで絵を見つめ続けている。 そして、まもなく。ひらひらと白い蝶々や青い蝶々がやってきてそこに止まった。たくさん止まった。きらきらと陽の光を受けながら羽を休めている。 「ユキ、大成功だね!」 「大成功!パパ、ぶしゃっ、てしてくれてありがとう!」 パパが噴き出したのは、限界まで砂糖を溶かした、思いっきり甘い砂糖水だったのだ。 そういうことか。 本物の花みたいだ。 ユキの緊張した様子も、ママのなんだかにやにやした感じも合点がいった。なるほど母娘でうまいことやったな、と、パパは何だか温かい気持ちになった。
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